発達障害の仕事

合理的配慮を発達障害者にしてくれる企業はどこ?具体例を知りたい

合理的配慮を発達障害にある企業は?

先日、GFTDの講師さんから「GREE」の子会社が発達障害の雇用に積極的であることを聞きました。

何でも「締切間際の案件は、最初から契約してこない」や「昼休みのほかに30分、休憩室で休んでいい」という配慮があるそうで、ほかにも

  • 休憩室
  • 壁面ホワイトボード
  • サングラス
  • イヤーマフ
  • デスクトップパーテーション
  • 集中スペース
  • ハイカウンター

など、発達障害に合理的配慮が行き届いている、企業のひとつのようです

ですが講師さんに、他にも発達障害に配慮している有名な企業がないか、聞いてみると、まだまだ合理的配慮が行き届いている企業は少ないそう…

合理的配慮を発達障害が勝ち得るには

合理的配慮を開拓する発達障害

発達障害のひとが、企業に合理的配慮を求める場合は、自分発信でお願いするのがいいようです

合理的配慮を求めるには、自分発信がベスト

特例子会社に入社する場合は、自分の困りごとに対応した前例があるかもしれませんが

一人ひとり、違う特性をもっていることを考えると、受け入れ先の企業にとって、発達障害への合理的配慮を求める「開拓民」という位置づけと捉えた方がスムーズかもしれません

※特例子会社とは「効率のよい障害者雇用のためにできた子会社」のことで、以下の記事に特例子会社の説明と、早くから特例子会社に認定されていた企業名を都道府県別に載せています

就職している人々
【特例子会社】に認定の企業を公開。発達障害も採用する企業など「発達障害でも採用する特例子会社ってなに?サポート万全な企業を知りたい」 こんにちは、大人になってから発達障害と診断された、ぷり子...

さらに、自分では配慮してほしいことを伝えたつもりでも、人事にしか伝わっていない場合も多く、現場に入ったら自分の能力を把握していなくて、見当違いの仕事を振られることも

(GFTDの講師さんの経験談ですが、PCスキルに長けていて、マクロを組めたり、イラストレーターを使いこなす能力があるにもかかわらず、最初に割り振られた仕事が、何十枚の雑巾を畳むことだったとのこと…)

発達障害を受け入れる企業も「手探り」状態なので、見当違いな配慮が発生してしまうのは、よくあることのよう

では、見当違いな配慮を防ぐためには、どうすればいいのか、それは「自分の説明書」をつくることです

見当違いな配慮を防ぐために「自分の説明書」を作ってみる

合理的配慮を発達障害が得るには「自分の説明書」

合理的配慮を発達障害が得るための説明書

いきなり、自分の説明書といってもなかなか、イメージが湧かないかもしれないので、以下、内閣府が合理的配慮を発達障害にした事例を知ると、自分にもこういう配慮が欲しい、と思うものが出てくるかもしれません

以下、配慮した事例です1)出典:合理的配慮指針事例集【第三版】平成27年

✓出退勤時刻に関し、通院・体調に配慮している例

  • 通勤ラッシュを避けられるよう、出退勤時間を決めている。(50~99 人/生活関連サービス業/事務、100~299 人/建設業/事務)
  • 1人のほうが落ち着いて作業ができるという申出があったため、出退勤時間を1時間早めている。(500~999 人/運輸業/事務)

✓休憩に関し、体調に配慮している例

  • 規定の休み時間以外にも休憩を認めている。
  • 通常 60 分休憩だが、本人の希望に応じて、45 分と 15 分に分割して休憩を取れるようにしている。(500~999 人/医療/清掃)
  • 体調が悪そうな時は、本人の様子を見て声かけを行い、休憩を取らせたり、場合によっては体調の回復を優先して、本人と支援機関に相談の上、早退をするように促したり している。(50~99 人/製造業/基板組立工)

✓休暇に関し、通院・体調に配慮している例

  • 通院日には休暇を認めている。
  • できるだけ連続勤務とならないようにするなど、本人の負担とならないよう勤務日や 勤務時間を調整している。
  • 通院等を考慮してシフトを作成している。(10~49人/小売業/軽作業、300~499人/運輸業/洗浄)
  • 通院やリフレッシュ等に利用しやすいように、有給休暇を1時間単位で取得すること ができるようにしている。(10~49 人/サービス業(特例子会社)/事務)
  • 体調不良時の欠勤連絡は緊張が伴うとのことなので、本人の担当者に個別に連絡して もよいこととしている。(1,000 人以上/医療/清掃)
  • 長期欠勤後の復帰の際は、面談を行い、欠勤をマイナスと捉えないよう精神面のケア を行っている。(1,000 人以上/医療/清掃)
  • 急な欠勤があった場合は、支援機関に連絡し支援機関から本人に連絡をとってもらい、 欠勤がストレスとならないように配慮している。(1,000 人以上/サービス業(特例子 会社)/清掃)
  • 体調の変化によるやむを得ない欠勤時に、他の従業員への気遣いからストレスを抱え やすかったため、体調が悪い時に気兼ねなく休めるよう、本人の希望に応じて、休んだ 分を別の日に振り替えて出勤することも可能としている。(500~999 人/小売業/事務)

✓その他、労働条件・職場環境等に関し、通院・体調に配慮している例

  • 短時間勤務を認め、徐々に勤務時間を延ばしていくようにしている。
  • 残業や夜間の業務は控えてもらっている。
  • 勤務時間延長について、本人の体調等を最優先に、本人、担当者、主治医の意見を取り入れ話し合いを重ねている。(1,000 人以上/サービス業/コールセンターオペレーター)
  • 本人が不調に気づきやすいように、体調、睡眠、服薬の簡単なチェックリスト形式の記録帳を活用している。(500~999 人/小売業/軽作業、1,000 人以上/サービス業(特例子会社)/清掃)

新しい環境に対して不安を感じやすかったり、きまじめで手を抜けず、常に緊張感を持ち続けて頑張りすぎたりしてしまう方のために、できるだけ静かな場所で休憩できるようにしたり、本人の希望も聞きながら一人になれるような場所を用意したりするというような配慮を行っている事例があります

休憩室…障がい特性からくる疲れやすさ、過集中などに配慮し、各自が必要なときに利用できる休憩室を用意しています。(出典:グリービジネスオペレーション)

  • 休憩時間を一人で過ごしたいという本人の意向により、静かに休憩できるようにしてい る。
  • 一人で休憩できるよう、本人の希望に応じて、従来の休憩場所以外の休憩場所を確保(会 議室の開放等)したり、休憩時間をずらしたりしている。
  • 一人で休憩を取れるように、休憩時間を他の従業員とずらしている。(300~499 人/小 売業/自動販売機商品補充員)
  • 本人がリラックスできる自由な場所(車の中、外出等)での休憩を認めている。
  • 休憩室に簡易ベッドを置くなど、横になって休めるようにしている。
  • スペースが狭かった従前の休憩室を改装し、男女別の休憩室及び談話室を設けた。(300~499 人/福祉/介護補助)

 

業務の優先順位

✓業務の優先順位を明確に示している例

  • 毎日作業内容が変わることから、次にやるべき仕事、いつまでに終わらせるかなど細 かい内容について、その都度指示している。(300~499 人/物品賃貸業/清掃、300~499 人/製造業/製造工)
  • 業務の優先順位に迷っている場合には、上司に確認するようにしている。(500~999人/労働者派遣業/事務)

✓目標を明確に示している例

  • 本人の能力や到達に沿った業務目標を設定している。(10~49 人/福祉/清掃、100~299 人/医療/調理補助、100~299 人/製造業(特例子会社)/事務・清掃)
  • 毎日、その日の作業内容や範囲、所要時間などを指示している。
  • 一つの作業の終了を確認した後に次の指示を出すなど、業務指示は一つずつ行うように している。

✓マニュアルの作成等により本人が仕事の内容を理解しやすくしている例

  • 作業手順や方法について、写真等を活用したマニュアルを作成したり、目につきやすい箇所に掲示している。
  • 使用する機械に番号を貼り付ける、清掃箇所により使う用具を色分けすること等によりわかりやすくしている。
  • 他の社員も使用しているマニュアルをポケット等に入れられるカード型にし、いつでも本人がチェックできるようにしている。(50~99 人/福祉/介護補助)
  • マンツーマンによる指導や、手本や見本を示しながら指導することで、本人にわかりや すく業務内容を教えている。

壁面ホワイトボード…障がい特性的に視覚優位と言われる社員に配慮し、壁一面をすべて特殊塗料でホワイトボード化しています。全社員に各業務や連絡事項などが「見える化」され、情報が把握しやすくなっています。(出典:グリービジネスオペレーション)

  • ホワイトボード等により個人別にその日や週ごとの作業を掲示している。

個々の障害者の障害特性によっては、通常の時間に出勤することが困難であったり、体調に波があることや通院・服薬を要することがありますが、その場合は個々の障害者の状況に合わせて適切な配慮を行うことが必要です。例えば、心身が疲れやすい傾向がある方は、短時間勤務から始め、徐々に勤務時間を延長していく等の事例があります

緊張が強く、また何事にも手を抜けず頑張りすぎてしまう方もいて、このような特性を踏まえ、援助担当者が本人の負担や体調に配慮して、業務量等を調整するといった事例があります

  • 本人の状況や業務の習熟度に合わせて業務量を増やしていく。
  • 過集中の傾向があるため、業務内容を段階的に増やしていった。(500~999 人/教育/ 事務)
  • 一度に多くの業務量を指示すると、休憩時間になっても休まずにがんばってしまう傾向 があるため、本人の負担や体調に配慮して、指示する業務量を調整するようにしている。 (100~299 人/福祉/事務)
  • 業務内容・量の変更をせずパターン化して、本人が混乱しないようにしている。
  • 無理なノルマを課さない、期限の定めのある業務は控えてもらうなど、本人のペースで 業務を行ってもらい、過度な負担を感じないように配慮している。
  • ノルマを課すのではなく、本人にとって無理のない範囲での数値目標を設定し、それに 向けて取り組ませることで仕事に対するモチベーションを維持させ、慣れてきたら少しず つ業務量を増やすようにしている。(10~49 人/製造業/自動車組立工)

本人の障害特性を考慮し、苦手なことに配慮した上で、業務を担当してもらっている(人 との接触の少ない業務を担当してもらう、電話応対を免除する、単純な作業(社員の補助業務や反復作業等)から開始して徐々に複雑な作業に移行してもらうなど)

  • 生活リズムを崩さないよう、当直のシフトは控えてもらった。(300~499 人/福祉/介 護)

✓業務量や作業内容の変更の際に考慮していることの例

  • 本人が業務上困ったり迷ったりしていないか、定期的な声かけや日誌により確認し、業務量を調整している。
  • 不安障害があり、他の者にとっては些細なことであっても、本人にとっては大きな不安につながることがあるため、日々の疑問や困っていることには、丁寧に聞き取り、答えるようにしている。(50~99 人/製造業/木製製品製造工)
  • 担当者が本人の体調に合わせて業務量の配分を行っている。
  • 業務量を増やすときは、ジョブコーチなどの専門支援機関の助言を聞くようにしてい る。(1,000 人以上/福祉/介護、清掃)
  • 本人の希望を踏まえながら、様々な業務にチャレンジさせているが、チャレンジして みて、「難しい」「できない」と感じたら、一旦、その業務を担当から外せることや再度 チャレンジできることを事前に説明することで、上手く出来なかった場合に本人が失敗 体験と捉えて不安にならないよう配慮している。(300~499 人/小売業/コーヒーショ ップ店員)
  • 体調や通院の状況などを本人から聞いて、勤務時間の短縮や担当業務を少なくする等 の調整を本人に確認しながら行っている。(100~299 人/医療/軽作業)
  • ジョブコーチの支援により本人の特性シートを作成し、社員が本人の障害特性を理解 できるようにした。
  • 採用当初は他の従業員に知らせていなかったが、他の従業員が残業中に帰宅することが 心苦しいと本人から申出があったため、本人の希望を踏まえ、社内で障害について周知し た。(100~299 人/小売業/清掃員)
  • 事務作業に専念できるよう、人の出入りする窓口から離れた座席に配置している。(300~499 人/農業協同組合/事務)
  • 手待ち時間ができた際にできる簡単な仕事を常に用意しておき、仕事が途切れることに よるストレスを少なくするようにしている。(300~499 人/小売業/事務、1,000 人以上 /金融業)/事務)
  • 通勤時や職場での対人関係のストレス軽減のために在宅勤務とした。(1,000 人以上/ 情報通信業/データ入力)

いわゆる暗黙のルールの理解が苦手であったり、言葉を文字どおりに受け取る傾向があったりする方に対しては、業務指示やスケジュールを明確にし、業務指示を具体的かつ簡潔に出す等の配慮が行われている事例があります

✓業務指示を明確にしている例

  • 口頭で、例えば「午前中はこの仕事を行ってください」、「終わらなくても、午後はこの仕事をしてください」と時間を区切って指示したり、「A が終了したら、次は B です」 と業務の完結をもって区切ることや、「きれいになったら次のものを洗う」ではなく、 「10 回洗ったら次のものを洗う」等、客観的に作業方法を指示することで、業務指示 を明確にしている。
  • 「あれ」や「それ」など、曖昧な指示ではなく、具体的な指示をするようにしている。 (50~99 人/製造業/食品製造工)
  • 指示した内容について、本人が整理をするためにノートに書く時間を設け、内容を確 認した上で指示内容を理解したかを確認する。
  • 毎日、仕事の内容を書いた紙を本人に渡す。その紙には、本人も実際に仕事をした上 で必要なことを記入できるようメモできるスペースを残している。
  • 本人に分かりやすく説明し、理解が不確かな場合は言い方を変えて理解できているか その都度確認し、指示内容が正確に伝わるようにしている。

✓スケジュールを明確にしている例

  • ホワイトボード等にその日のスケジュールを貼りだし、必ず本人にメモをとっても らい業務内容を一つずつ確認している。
  • 朝礼で当日の作業内容を確認し、終礼で作業進捗と翌日の作業予定を確認している。 ・ 時間ごとの業務内容がわかるよう、時計の図と作業の写真を組み合わせたカードホ ルダーを渡し、「この時間にはこの作業をする」ことが視覚的にわかりやすくなるようにしている。
  • 過集中を防ぐため、無理が少なく、具体的な内容の業務計画を作成している。

✓作業手順について 図等を活用したマニュアルを作成する等の対応を行っている例

  • 急な作業変更は極力行わない。行う場合には、本人の作業が一区切りつくまで待つ。また、業務の中で予想される変化については、できるだけ事前に本人に伝える。
  • 各部署の指導担当者が普段から情報交換をして、本人に対する指示の出し方に統一性を持たせている。(500~999 人/教育・学習支援業/事務)
  • 作業量の調整が不得意な対象者に対して、担当者が1日の作業量を明確にし、対象者の特性に応じて調整している。(100~299 人/情報通信業/事務)

✓作業指示を一つずつ出している例

  • 本人の作業指示はできるだけ細分化し、一つの作業が終わる都度、次の作業を指示している。
  • 本人ができないことを明確にし、一つの作業を覚えてから次の作業の指導を行うことで、できることを少しずつ増やしていった。

✓作業手順について図等を活用したマニュアルを作成している例

  • 担当者が実演により見本を見せながら業務を指示している。

特性によっては、通常の時間に出勤することが困難であったり、体調に波があることや通院・服薬を要することがありますが、その場合は個々の障害者の状況に合わせて適切な配慮を行うことが必要です。例えば、通勤ラッシュが苦手なため始業時間を遅くすることや、人混みを嫌う特性がある場合もあるため食堂に早めに行けるなどの事例も。

✓その他、労働条件・職場環境等に関し、通院・体調に配慮している例
    • 本人の負担や希望を考慮し、まずは短時間勤務から始め、段階的に労働時間を延ばす こととした。
    • 急に客に声をかけられると焦ってしまうため、当初は早朝の品出しを担当してもらった。(500~999 人/小売業/品出し)
    • 残業が必要な場合、予め本人に伝える、1日おきとする、体調により控えてもらう等の配慮を行っている。

合理的配慮を発達障害に「感覚過敏」

デスクトップパーテーション…机上正面と横に設置したパーテーションです。半透明のアクリルタイプで、圧迫感なく、正面の視線を遮り、視線過敏の方が集中できる環境を提供しております(出典:グリービジネスオペレーション)

 

  • 音に対して過敏であるため、静かなところで作業をしてもらう、耳栓を付与する、ヘッ ドフォンの着用を認める、机の電話を外す等の配慮を行っている。
  • 光に対して過敏であるため、蛍光灯を一本少なくする、サングラスの着用を認める等の 配慮を行っている。(100~299 人/製造業/製造工、100~299 人/製造業/事務)
  • においに対して過敏であるため、芳香剤の使用を認める等の配慮を行っている。(1,000人以上/小売業/軽作業)
  • 衝立等を用意している例
  • 視線があると集中できないため、本人の机の前後左右に衝立を用意した。
  • 事務用品を組み合わせて、手作りの衝立を作成した。
  • 集中力を持続してもらうため、机の周りに棚を作って視覚的な情報の制限を行った
  • 作業机を衝立で仕切って、個人の作業スペースの確保と他の人との業務比較を防止した
  • 休憩所にカーテンで仕切りをした。
  • 本人からの要望で、他者との関わりをできるだけ少なくし、静かな作業環境を整えている。

References   [ + ]