発達障害の仕事

ASDとADHDを併発しているひとの適職を考える

adhd-asd

こんにちは、ぷり子@puriko_adhdです

先日、見かけた以下のツイートにいろいろ考えさせられました

上記はブロガーのさとるさん@sekiraralifeのツイートです

実際、ADHDは学習障害や自閉症などの他疾患を併発することが多く、ADHD単独の関連因子は 現在まだ明らかになっていません1)島根県立大学出雲キャンパス 紀要 第 11 巻,37-42,2016「注意欠如多動性障害の最近の話題といずもサマースクール

ASDとADHDの特性を掛け合わせる

いろんな職業

ADHDとASDの「特性」のいいとこ取りをすると、

「多動(ADHD)」×「新奇追求(ADHD)」×「一点集中(ASD)」

になります

ASDとADHDの「特性」をポジティブに捉えすぎ?

ここまで「特性」をポジティブに考えるようになったのは、自分の自覚している「特性」が、両者のマイナス面ばかりで落ち込んでることがきっかけでした

以下、自覚しているマイナスの特性

  • 「ADHDの多動性」=飽きっぽい
  • 「ASDのこだわり」=職場の従来のやり方を受け入れられない頑固さ
ASDもADHDも、よくない面しか持ってないの?

ただマイナスの方向にしか、捉えられないことも「認知の歪み」かなと思い、見方を変えてみると

飽きっぽい

  • チャレンジ精神がある
  • いろんな経験を持っている
  • 自分の気持ちに素直である
  • 行動力がある
  • 向いてる職業→「IT」「移動や出張が多い営業」「デザイナー・クリエイター」

こだわる頑固さ

  • 細部こだわるから「探究心が強い」
  • 妥協しない
  • 向いてる職業「芸術家」「研究者」

ってなりました。このメリットを活かすためには

  1. ADHDの「多動」と「新奇追求」を使って興味あることに手を出しまくる
  2. 好きな要素(思い入れが強い)に絞る
  3. アスペルガーの一つを黙々とやり続ける「こだわり」で突き抜ける

いくらなんでも「特性」をここまで上手く活用できないよってひとは、アスペルガーの「思い込みが激しい」特性を利用する手もあります

「アスペルガーだから、1つのことを続けられるんだ自分は」みたいなプラシーボ効果を試してみます

この思い込みで、結果的に行動が続けられるなら、利用する価値があります

※ある程度続けてみて、このプラシーボ効果でシックリこないなら早々に、見切りをつけちゃっていいと思います(ここでは多動というか「移り気」の特性を利用する)

 

ASD、ADHDの特性を活かして成功したひと

アスペルガーのテンプル・グランディン

精肉工場

アスペルガーで有名な「テンプル・グランディン」を例に、アスペルガーの特性が職業にどんな風に役立ったかをみてみましょう

彼女の功績は

  • 精肉工場で動物を取り扱う装置を設計
  • これはアメリカの1/3の工場に使われている

そんなグランディンの秀でた特性をかけ合わせると

  1. 感覚過敏
  2. 動物感覚
  3. 視空間認知能力

彼女の掛け合わさった能力が生かされた事例2)トーマス・アームストロング「脳の個性を才能に変える」p,88は、以下のとおりです

ある豚の処理工場では、豚が通路で尻込みして前に進もうとしないので、歩かせるために電気式の突き棒を使っていた

工場は電気式の突き棒の使用を動物の25%以下にするという規定に反し、動物福祉の監査で不合格になった。グランディンは、豚が前に進もうとしない問題を解決するために、四つんばいになって、自分で誘導通路を通ってみた

「ぬれた床で光が反射している。人と豚は目の高さがちがうのだから、反射はだれにも見つけられなかっただろう」

この発見で「頭上の照明」を移動して反射をひとつ残らず取り除いたら、問題が解決した

注目すべきは、アスペルガーの「視空間認知能力」です

実際に、視空間に関わるテストで、アスペルガーのひとは高得点を出しています

視空間ってどういうの?

たとえば、グランディンは設計した設備を組み立てる前に、頭の中で試運転までしています

「あらゆる環境、雨の日なども含めて、サイズの違う牛の一群が、どんなふうに私の設計に反応するかを視覚化してみる。こうすることで、建設後に起こりやすいミスを事前に手直しできるのである」

視覚優位のひと
【視覚優位】ADHDの適職を認知特性から考えると、突破口になる 認知特性ってなに? 視覚優位だけど、適職って何だろう? 自分の強みを知りたい こんな疑問を...
そこまでできるんだ

そうなんです。「そこまでやるの?」という風にいわれたことがある人は、適職が絡んでいる可能性があります

「そこまでやるの?」と言われたことがある場面を、思い出してみよう

グランディン以外のひとの事例も見てみましょう

アスペルガーのジョン・エルダー・ロビンソン

バンドのkiss

「ジョン・エルダー・ロビンソン」というアスペルガー症候群のひとがいます(↓著作)

 

彼の功績は

  • 音楽業界のエンジニアとして70年代、ロック・バンドKISSと行動をともにしながら火を吹くギターを開発
  • 1980年代、エレクトロニクスメーカーであるMilton Bradley Company(電子ゲーム)で勤務
  • Simplex(火災警報器とビルコントロール)で勤務
  • ISOREG(パワーコンディショニングシステム)で勤務
  • 現在は、成功した自動車専門店を経営

そんな彼の卓抜した才覚を構成する要素は

  1. 音楽
  2. 電子工学
  3. 感覚過敏

になります

さっきのグランディンもあったけど、2人とも感覚過敏があるんだね

アスペルガーの特性で「細部に気を配る」という意味では、感覚過敏が生かせる職(品質管理・データ分析)が挙げられます

ただ注意してほしいのは、アスペルガーの興味・関心の狭さです

細部に気を配れるのは、自分の興味・関心があることに限定される

自分の興味あることなら「細部」に気を配れるけど、条件で選んでしまったなど、仕事内容に興味が持てない場合「細部」まで気を配れず、結果的にミスが目立つことになります

(実体験ですが「会計事務」に就くとき条件だけで選んでしまい、集中できずミスを連発しました)

ロビンソンの場合、感覚過敏という特性を「音楽」にかけ合わせたことで、楽器ひとつだけの音を追うという能力を発揮しました(フツウはかなりの集中力が必要)

彼は著作のなかで「アスペルガー者特有の集中力機械電子工学への適性がなければ、こどもの頃苦しめられた、あの気を散らされるあらゆる感覚に囚われ続けていただろう3)ジョン・エルダーロビンソン「変わり者でいこう」」と述べています

ロビンソンは、自分の個人的な興味で行動していたので、「電子工学」から「音楽」という異業種をまたぐことになり、ミュージシャンに「電子技術者」が直接、営業できるチャンスに恵まれました

一般的な「電子技術者」はミュージシャンに関心を払うことはないので、まさに絶好の機会を思い切り、活かした事例になります

関連性のない分野でも「個人の好き」が「業種」をまたぐと「新しいもの」を生み出すことがある

 

限られた人にしかないのか?

ここまで読んでみると、特別な才能があるひとに限られたことにしか思え、奇跡のようにごく一部のことと思うかもしれません

ですが、成人になって偉大な独創性を発揮した人物が、チャールズ・ダーウィンのように、学生のときにはごく平凡な存在であったという例は、しばしば見出されています4)マイケル・フィッツジェラルド 「アスペルガー症候群の天才たち」p,11

もちろん「特性」をサポートする技術も必要です

ADHDが優勢なら

  • 集中できる環境
  • 続ける習慣 など
adhdがミスしないために
ADHDが仕事でミスしないためには?集中できる方法を試してみた「仕事でミスしてばかりで、辛い。しかも発達障害(ADHD)って診断されて…仕事でミスしないためには、どうしたらいいの?」 こんにち...

 

ASDが優勢なら

  • 積極性(行動力をもつ)

 

ここまで併発しているひとの適職について、特性の「要素」をかけ合わせたことに焦点を当てて、きました

繰り返しになりますが、ADHDとASDの「特性」のいいとこ取りをすると、

「多動(ADHD)」×「新奇追求(ADHD)」×「一点集中(ASD)」

になります

正直「特性」について、ここまで前向きに考えられないかもしれません

いまの社会で「ASD」と「ADHD」を併発するひとは、広範囲にわたる能力が求められ、数多くの失敗で「自己肯定感」が極端に低くなっています

そんなひとにアスペルガーの特性をもつフランス人の「ジュリー・ダシェ」の言葉を贈ります

あなたたちの”違い”は問題ではありません。

それはむしろ答えなのです。

その”違い”は正常性という病にかかった私たちの社会の特効薬なのです

見えない違い私はアスペルガーの表紙
見えない違いー私はアスペルガーは表現力が逸脱!全ページカラー漫画こんにちは、ぷり子@puriko_adhdです 先日、本屋でみつけたこちらの本 本屋に行ったら、アスペルガーの新刊が➡︎フラ...

References   [ + ]

1. 島根県立大学出雲キャンパス 紀要 第 11 巻,37-42,2016「注意欠如多動性障害の最近の話題といずもサマースクール
2. トーマス・アームストロング「脳の個性を才能に変える」p,88
3. ジョン・エルダーロビンソン「変わり者でいこう」
4. マイケル・フィッツジェラルド 「アスペルガー症候群の天才たち」p,11