発達障害の改善

自閉症が生まれつきは本当か。遅延性自閉症が発見。原因は抗生物質

自閉症が生まれつきではない可能性が、アメリカで発見されています

それも実験や研究で分かったのではなく、たった1人の母親が独学で発見したというものだから、驚きです

しかも、閉症研究を一変させるほどの発見でした

すごく興味をそそられたので、この記事で紹介したいと思います(以下の本に全文が載っています)

自閉症が生まれつきじゃない可能性

自閉症は生まれるつきか調査するひと

自閉症が生まれつきじゃないことを、1人の母親(エレン・ボルト)が発見に至るまでの流れをザックリと。

  1. 健康体で、標準的な子どもが生まれる
  2. 耳の感染症で、乳児のときに「抗生物質」を投与される
  3. それまでの順調な成長が一変
  4. ふるまいが自閉症そのものになる
  5. 2歳1ヶ月で「自閉症」と診断
  6. 診断に納得いかないエレン(母親)は、自ら調査に乗り出す
  7. 文献、医学論文を読み漁り、仮説を立てる
  8. あちこちの医師に自分の仮説を訴えるが、相手にされず
  9. 37番目の医師のもとで、仮説(※)を実証
  10. それまで悩まされていた自閉症の症状(多動)が治まる

という流れです

ちなみにエレンが立てた仮説(※)を簡単にすると

  1. 「ある菌1)破傷風菌(クロストリジウム・テタニ)」が乳児の「腸」に入った
  2. フツウならその菌は、腸内にある「細菌」に殺される
  3. が、耳の感染症で使われていた抗生物質によって「細菌」が殺されていた
  4. そして腸と脳をつないでいる神経を通って、脳の神経に到達した

のではないか、というもの。

だから、いまだ腸にいる「ある菌」を殺すために、さらなる抗生物質2)バンコマイシンの投与をしてほしい、と医師を探し回ったのです

(ややこしいですが、抗生物質の投与で自閉症を発症したけど、いまだ腸にいる原因の菌を取り除くにも”抗生物質”だったという…)

参考までに、抗生物質を投与されてから、人が変わったような「ふるまい」が以下です

  • 不機嫌に引きこもる
  • 突然、怒り出す
  • 1日中、叫び声を上げる
  • 下痢が止まらない(大量の粘液と未消化の食べ物)
  • つま先で歩く
  • エレン(母親)と目を合わさなくなる
  • 話していた言葉を話さなくなる
  • 名前を呼んでも返事をしなくなる
  • 手足が痩せて、お腹だけ膨らむ
  • 部屋のドアのところで立ったまま、半時間も電気のスイッチを入れたり切ったり
  • 鍋やふたなど、モノには異常に執着する
  • ほかの子どもには関心を示さない
  • 甲高い叫び声を上げる

このハナシのすごいところは、母親の確固たる信念のおかげで「腸の細菌が脳に到達する」という発見に至ったということ。「生まれたときは、正常だったはず。4人も子どもを産んで育てた自分に、それがわからないはずない」

けれど、どの医者からも「お母さんが兆候を見逃していただけで、自閉症は死ぬまで治らない」と言われます。それでも「自閉症なんかじゃない。正しい診断がどこかにあるはず」と自ら調査に乗り出し、見事に証明してみせたのです

 

自閉症の原因の菌を取り除くための「抗生物質」が投与されて2日後、悩まされていた「自閉症の症状」は驚くほど、落ち着きました

  • トイレ訓練を2週間で、習得
  • 母親のいうことが理解できるようになる
  • 家族の愛情に応え、共感を示すようになる
  • 2、3言しか話せなかった言葉をたくさん覚える

など、ふるまいが大きく改善。

サンプル・サイズはたった一例でしかなかったが、この改善はあまりに明白で、自閉症の原因がにあることは、疑う余地がないように見えた

 

自閉症が生まれつき?「遺伝」とは思えない増加率

自閉症が生まれつきならおかしい増加率

出典:CALIFORNIA’S AUTISM INCREASE

自閉症と診断される子どもは、急上昇の一途をたどっていて、その理由に

  • 帝王切開リスク説
  • 母親の肥満説

などが挙がっています

くわえて、アスペルガー症候群が含まれるなど、自閉症の診断範囲が広がり、自閉症の認知度も上がってきたため、自閉症と診断される機会が以前より多くなっていることもあります

発達障害の原因は遺伝、胎児の環境などにある
発達障害の原因は何か。遺伝のほかに「父親の高齢」と「母親の肥満」こんにちは、大人になってから発達障害と診断された、ぷり子@puriko_adhdです 発達障害の原因は「遺伝性が高い」ことが知られ...

これまで、指摘されていた自閉症の原因は、決定的とはいえず「いまいち」でしたが、すべての原因に共通するものがここにきて、分かっています

それが、先ほどエレンが発見した「腸内細菌」です

ASD(自閉症)をもつ子どもには、慢性的な下痢や便秘を訴える比率が高い。そこでASD児の腸内細菌を調べると、その構成が健常児と異なっている「ディスバイオシス」が見られることがわかってきたのである

出典:うつも肥満も腸内細菌に訊け! (岩波科学ライブラリー)p,50

「腸」と「発達障害」の深い関係を実験データから分析!先日、発達障害の食事には「腸」が関係していることを伝えましたが、 https://intome.jp/add-meals/ ...

自閉症は生まれつきというより「腸内細菌」がカギ

自閉症が生まれつきではない証拠の腸内細菌

先ほどのこれまで、指摘されてきた原因

  • 帝王切開リスク説
  • 母親の肥満説

のいくつかは、腸内細菌に集約されます

帝王切開リスク説

生まれてくる子どもにとっての「最初の腸内細菌」が母親の産道で獲得されるところを、帝王切開で生まれると、獲得できないことが指摘されています

母親の肥満説

母親が肥満であったり、妊娠中の体重増加が推奨されるレベル以上であったりした場合、なぜか母乳に含まれる細菌の種類が少なかったことが、スペインのバレンシア大学の研究によって分かっています3)参考:うつも肥満も腸内細菌に訊け! (岩波科学ライブラリー)p,49

母乳に含まれる細菌種を調べたところ、出産後1週間の初乳には、従来考えられていたよりはるかに多くの細菌が含まれていて、その種類はなんと700種類にも及ぶことが分かりました

おそらくその一部は、腸内細菌として定着し、乳児の消化吸収を助けたり、免疫の発達に関与したりすると考えられています

 

そもそも、エレンの子どもに起きたことは、自閉症の原因ということに留まらず

腸内細菌の組成比が変わると、その人の行動も変わってしまう

という医学を大きく前進させる発見でした

性格は生まれつき決まっていて人生の途中で変えられるものではない、という遺伝子決定論に反発を覚える人は多い。では、性格を決めているのは腸に棲む細菌だ、という概念についてはどうだろう?

 

腸内細菌と自閉症など神経系のつながりは、現在も研究の真っ只中で、引き続き多くの調査が必要ですが、腸内細菌というものが、人間の行動をも左右するほど、大きな役割をしている、ということを知った上で、食事の改善は大幅な効果が期待できます

腸内細菌の食事からのアプローチは、さまざまな方法がありますが、最も効果的なのがグルテンフリーです(欧米ではグルテンフリー市場が急拡大中)

グルテンが脳に影響する図
グルテンフリーを図で理解。ADHDや総合失調症などにも効果ありこんにちは、グルテンフリーで「寝起き」や「脳のモヤモヤ」がマシになった、ぷり子@puriko_adhdです 何度も言ってるけど、本...

ちなみにエレンの子どもは、一定の症状の改善はみられたものの、幼いときの脳の発達を決定づけるタイミングを逃してしまっため、この先もずっと自閉症を抱えたまま生きていくことになります

↓(左の写真の子どもを抱いているのが母親のエレンで、抱かれている子どもはアンドルー、自閉症を発症する直前。右の写真の一番左から、アンドルー、母親のエレン、姉のエリンです)

自閉症が生まれつきじゃないことを発見した家族

出典:あなたの体は9割が細菌: 微生物の生態系が崩れはじめた

※エレン(母親)の発見につづく研究を、姉のエリンが引き継いでいます

この記事のまとめ
  • 自閉症が生まれつきじゃないことが証明されている
  • 遺伝にしては増えすぎな自閉症
  • 母親が肥満だったり、妊娠中に体重が増えると母乳に含まれる細菌が減る
  • 「腸内細菌」が人間の行動を一変させてしまう

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References   [ + ]

1. 破傷風菌(クロストリジウム・テタニ)
2. バンコマイシン
3. 参考:うつも肥満も腸内細菌に訊け! (岩波科学ライブラリー)p,49