発達障害の改善

発達障害は「便秘や下痢」を抱えるリスクが3倍も高い

自閉症スペクトラムの胃腸障害

発達障害の研究論文で、結構参考になりそうな論文をみつけたので、紹介します

この研究は「自閉症」「定型発達」「発育遅延」と分けて比較している数少ない、大規模な研究です(過去の研究のほとんどは「自閉症」と「発育遅延」を一緒のグループにしてしまっていました)

ただ最初に結論を言っておくと、定型発達の子どもと比べると、やはり「自閉症」と「発育遅延」の両方で胃腸の症状(便秘や下痢など)がより多くみられたとのこと。

それと、この記事では

  • ASD→「自閉症」
  • TD→「定型発達」
  • DD→「発達遅延」

としています

自閉症スペクトラムは「便秘や下痢」を抱えるリスクが3倍も高い

自閉症の便秘と下痢を示す表

定型発達の子どもと比べると「自閉症」「発育遅延」がある子どもは、少なくとも3倍の頻度で胃腸疾患(便秘や下痢など)を患う傾向があったことが分かりました

「自閉症」「発育遅延」がある子どもは、少なくとも3倍の頻度で胃腸疾患(便秘や下痢など)を患う

 

自閉症には偏食が多い

自閉症の偏食

上の数字は右から自閉症の63.5%に偏食の傾向があることを示しています。定型発達と発達遅延の34%と比べて、格段に高いですね。これは今回の研究だけでなく、他の大規模な研究でも報告されているそう

今回の研究と他の研究では、いくつか類似点がみられた。例えば、Valicenti-McDermottらは、若干高齢の小児(平均年齢7.6歳、SD±3.6)のサンプルにおいて、同様の有病率(ASD 60%、TD 22%、およびDD 36%)での食べ物の好き嫌いを報告している。さらにカリフォルニアのサンプル(ASD 63.5%、TD 34%、およびDD 34.6%)でも偏食がみられた

複数の研究で自閉症の子どもが「食べ物の偏食」が見られたとの報告はされていて、その研究によると、便秘と偏食は

  • 儀式的傾向
  • 日常的な必要性
  • 同一性の主張など

自閉症の行動特性に起因すると結論づけています

 

「偏食」が便秘や下痢を引き起こしているのか?

まるで、自閉症が偏食の食習慣をもつことで、便秘や下痢を抱えているのではないか、と思ってしまいそうですが、

  • 子どもの年齢
  • 投薬
  • 母親の教育
  • 食感
  • 温度など

さまざまな理由で、健康な腸機能をキープするための食品(たとえば食物繊維など)を摂取できていない可能性があることも示しています

 

自閉症スペクトラムには「慢性的な下痢」が多い

自閉症スペクトラムの下痢症状

さらに頻繁な「下痢」の症状も複数の研究で自閉症の子どもにより多く、見られています

4週間以上、毎日3回以上の下痢の症状は、「ASD 18%、TD 4%、DD 2%」においてわずかにより頻繁に報告された。他のサンプルでも「ASD 13%、TD 2%、DD 6%」

 

発育遅延の子どもは「問題行動」と下痢の症状が関連する

「発育遅延」の子どもに関しては不適応な性行動、社会的行動の欠如など「より問題ある行動の度合い」と関連する唯一の胃腸症状は下痢であったと記されています

 

下痢の症状で自閉症の重症度も変わる

そしてなんと、より重度の自閉症を抱える子どもは、自閉症患者よりも下痢の罹患率が高く、慢性的な下痢の症状が自閉症の重症度を高めることを示していたよう

「下痢」の症状は、行動の度合いと関連する

 

自閉症スペクトラムと「胃腸障害」の関連が見過ごされすぎ

この研究の終盤に、行動に問題を抱えている子どもたちの「胃腸障害」が見過ごされすぎて、治療が不十分なままであると警告。

自閉症スペクトラムと「胃腸疾患」のつながりが見逃されている

この胃腸障害を治療するだけで、少なくともいくつかの問題行動が和らいで、家族や子どもの生活が改善できると、示唆しています

別の小さな研究では、自閉症の子どもが

  • 食物繊維
  • カルシウム
  • ビタミンE
  • ビタミンD

などが不足していることも報告されているので、偏食気味のお子さんには、大変ですが意識して摂取することをオススメします

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